第42章

全部、我慢してさ。

特に僕に対しては、言いたいことが抱えきれないほどあるだろうに――」

恨み言とか。

憎しみ言とか。

いっぱいあるだろうに――言葉にせず。

いや、それは、言葉にならないだけなのかもしれないけれど、それでも、言葉にならないそ

んな想いすらも、僕にぶつけることもなく。

「……それ、逆なんじゃないの?」

すると、千石は不思議そうに言った。

「だって、暦お兄ちゃんは、被害者なんだから――」

「加害者だよ」

僕は千石の言葉を遮って、言った。

「忍の件に関しちゃ、本当にな――千石、お前が被害者であるって以上に、加害者なんだ。ま

あ、そのあたりの突っ込んだ話は、ちょっと勘弁って感じなんだが――まあ、その件に関し

ちゃ、少なくとも、忍を責めるのは、やめてやってくれ」

「あ、うん……」

頷きはするものの、どこか不満そうな千石だった。まあ、千石からすれば、僕と忍との関係

さえぎ

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