第69章

それこそ、責められているにも等しい言葉だっただろう。

「だって、これ、八つ当たりだもん」

と、羽川。

「こんなこと言われたって、反応に困るでしょう? だからどうしたって感じだし、そもそも

阿良々木くんには関係ないし――でも、なんだか、ちょっと同情しちゃうようで、筋違いの同

情しちゃう自分に、罪悪感を覚えちゃうでしょう? 悪いことをしちゃったような、そんな…

…嫌な気分に、なったでしょう」

図星だった。

意地悪なのよ、と羽川は言った。

ぬる

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「私、阿良々木くんで、憂さを晴らした」

「…………」

「阿良々木くんを嫌な気分にして、すっきりしようとした――愚痴ですらないもんね、こんな

の」

そんな気弱な羽川を見るのは、初めてだった。

顔面のガーゼも、手伝っているのかもしれない。

僕の中での羽川翼像というのは、とにかく、真っ直ぐで、強くて、真面目で堅実で、賢く

て、公平で……

(ò﹏ò)

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